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基本統計量で見るドル円相場の変化

ここ何回か市場間分析をテーマに記事を書いてきたのですが、
一部の方には反響があったものの全体的な要望とはちょっとかけ離れていたようなので、今回はエクセルを使った分析の話をしたいと思います。


エクセルの「ツール」→「分析ツール」の中に「基本統計量」という項目がありますが
今回はこれを使います。

1.ドル円の日足終値をエクセルファイルとして用意する。

2.ドル円の5日間のリターン時系列を作る。

リターンの計算には、Ln(当日終値/5日前終値)を使用。
Lnは自然対数(Logの底がeになってるやつです)

3.2006年以降1年ごとに、5日間のリターン時系列に対する基本統計量を調べる。


調べた結果は以下のような表になります。

FXシステムトレード研究


表にはさまざまな統計的な指標が表示されますが、
もしこれらの中で知らないものがあれば、まずはwikipediaで調べてみましょう。
もしwikiの解説が抽象的すぎてわからない場合は、その意味がわかるまでググってみることです。

以前にも言いましたが、それが統計の簡単な勉強法です。



ここでは、尖度(せんど)歪度(わいど)について簡単に説明します。

この2つの統計量は、いま調べているドル円のリターンの頻度分布が
通常の正規分布のベルシェイプに比べどのように変形しているかを教えてくれるものです。


尖度(せんど)が正であれば、正規分布に比べ中心まわりの分布が高く尖っており、
裾は長くなっていることを示します。

イメージ的には東京タワーに長い裾がくっついたような分布です。

※尖度(せんど)には定義が2つありますが、ここでは正規分布でゼロとなる定義を採用。

尖度が負の場合は、東京ドームのように裾が短く、中心部が低い形状です。

FXシステムトレード研究

※上図はwikipediaより引用


歪度(わいど)が正であれば、分布の中心が正寄りに(右に)に歪んでいることを示し、
逆に負であれば左に歪んでいることを示します。

一般的に株価など多くの金融データにおいて、
尖度は正の値をとり、歪度は負の値をとることが知られています。


尖度が正となるのは、
価格変動が長い静穏期と短い大荒れ期で構成されており、
正規分布を仮定すると1万分の1といったような理論上あり得ないような小さな確率の現象が実際には年に1回程度必ず起こっているということです。
実際トレードを行っていれば直観的理解が可能でしょう。


尖度が値が大きく、分布の両端が長く太くなればなるほど
トレンドフォロー戦略が優位に機能することもわかるかと思います。

※リターンの分布形状とトレンドフォロー戦略の関係性については重要ですので
※また別の記事で取り上げるかもしれません。


歪度が負となるのは、
簡単に言えば、「コツコツ上げて、ズトンと落ちる」というパターンだということです。
これについても経験から納得できることですね。


さて、以上の点をふまえてドル円の2006年から2010年9月までの
年ごとの尖度と歪度に注目してみます。


尖度は2007年から2009年まで正の値で、特に2008年には2.72とかなり大きな値をとっています。
この期間はトレンドフォローが機能しやすい時期だと言えます。

事実、適当なトレンドフォローシステムを作って検証してやれば
2007年~2009年は悪くない数字を出してくるでしょう。

一方で、2006年と2010年には尖度は負となります。
この期間ではトレンドフォローシステムは苦戦するはずです。
チャートを見なくとも、尖度の数値だけでそうした判断が可能です。


歪度についてはどうでしょうか。
2006年~2008年までは負の値ですが、2009、2010と直近2年の値は正となっています。

つまり、コツコツ上げてズドンと落ちるパターンから、
コツコツ下げてズドンを上げるパターンへと変化したことを意味しています。

もし過去の傾向に合わせて売り買いのルールを非対称的に作ったシステムがあったとすれば、ここ2年のパターン変化に対応できずにドローダウンを食らっているはずです。


2010年は尖度が負でトレンドフォローが機能しづらい時期ですが、
同時に歪度も正となっており、上で述べた一般的な金融データの特徴とは真逆の特徴を示しています。

尖度が負 歪度は正

こうした事例は1999年以降初めての現象です。

これは5日間のリターンをとった調査に限定しているので
他の観察期間でも調べてやる必要がありますが、いずれにせよ珍しいことだと言えます。


また2009年と2010年は、それ以前に比べ
尖度、歪度の絶対値の大きさが小さく、正規分布からさほど歪んでいないということも
注目すべき特徴だと言えます。



◆9月28日追記

記事では5日間リターンとありますが、
読者の方から4日間ではないかというご指摘がありました。

私のミスです。5日を4日に訂正してお読みください。

なお、4日か5日で、尖度、歪度の数値に少し違いは出ますが、
基本的な傾向は変わりませんので、それ以外の文章はそのままです。

Comment

こんにちは。

エクセルはよく使いますが、こんな使い方があったんですね。

非常に勉強になりました。

  • takechan [#-] |
  • URL |
  • 2010 09/25 (Sat) 19:03
No Title

こんにちは。

5日間に選定理由はありますか?

  • IPA [#VWFaYlLU] |
  • URL |
  • 2010 09/27 (Mon) 11:02
  • Edit
Re:

>IPAさん

大きな理由はありませんが、スイング系システムの
機能しやすさの目安として5日間を選びました。

期間はいろいろ変えてみるのがおすすめです。

トレードするタイムフレームに合わせたリターンの分布を調べることで、手持ちのシステムにとって今が機能しやすい状況なのかどうか判定するという目的も兼ねたものですから。

  • Phai [#qbIq4rIg] |
  • URL |
  • 2010 09/27 (Mon) 16:59
  • Edit
No Title

なるほど。

参考にさせていただきます。

  • IPA [#VWFaYlLU] |
  • URL |
  • 2010 09/28 (Tue) 10:03
  • Edit
各通貨で調べてみました

こんにちは。
遅いコメントで恐縮ですが、非常に参考になりました。
ポートフォリオ組み換えの際にどのシステム・ロジックに加重配分するか、有効な判断材料に出来ますね。

そこで主要通貨ペア(+日経225)について、5日間と1日間のリターンで調べてみました。
http://blog-imgs-47.fc2.com/a/l/g/algorithmtrade/forex_statistics.html
AUD,NZDは尖度・歪度の±が安定してますね。

  • チクワ [#1y8D/px.] |
  • URL |
  • 2010 10/05 (Tue) 14:43
  • Edit
Re:各通貨で調べてみました

>チクワさん

これはすばらしい。力作ですね!

改めて確認できて面白かった点は

1.クロス円は概ね尖度が正で歪度は負となる

2.EURGBPの5日間尖度が2001~2006と2007~2009でキレイに正負逆転

3.EURCHFの2009年、介入による異常な尖度と歪度

といったところでしょうか。


ただ尖度と歪度が何かしらの予測性を持ってくるかどうかについては要検証ですね。
そこまで昇華できれば言うことなしなんですが。

  • Phai [#qbIq4rIg] |
  • URL |
  • 2010 10/05 (Tue) 15:46
  • Edit
No Title

EURをはじめ欧州通貨は比較的不安定ですよね。
各国の政策等々外部要因が複雑に絡んでくるからでしょうか。

>尖度と歪度が何かしらの予測性を持ってくるかどうかについては要検証ですね。

実は私もそのあたりの探索を引き続きやってまして、
何か成果が出ればまたご報告します。
(今度の勉強会のおみやげに出来れば、とか(^^))

  • チクワ [#1y8D/px.] |
  • URL |
  • 2010 10/06 (Wed) 09:51
  • Edit
No Title

尖度と歪度のプラスマイナスを観るだけで、どのトレードロジックが機能するかはバックテストするまでもなく予測可能なのですね。
ありがとうございます。

  • saru999 [#l0yaxqJ6] |
  • URL |
  • 2010 10/24 (Sun) 19:32
  • Edit
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プロフィール

Phai

Author:Phai
4年前に専業トレーダーに転身。
トレンドフォロー系のシステムをメインに複数のシステムで資産運用を行っています。
メンバー100名以上→【FC2限定システムトレードコミュニティを立ち上げました

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