今まで東京時間は変動率が小さくうまみが少ないということで
ほとんど無視していましたが、需要による行動パターンをうまくとらえることができれば
投機筋を相手にするよりも安定的に稼げる可能性があるなあと少し考え直しています。
市況ニュースにもよく出てくるいわゆる「ドル買い需要」「円買い需要」
これにうまく乗っかることができるのでしょうか?
下図はその需要が濃く出やすいと思われる状況下で
日本時間の午前9時に成行きエントリーし、正午に手仕舞う簡単なルールを
システム化したときの損益曲線です。

※対象通貨はドル円
非常にきれいな直線が出てくるのですが、
残念ながらこれは
スプレッドを差し引く前の曲線。
1トレードの平均損益は
わずか3.7pipsしかないので
スプレッドを考慮するとほとんど利益になりません。
やはり最初に述べたように変動率が小さいことがネックになっているようです。
ちなみにこの平均損益を大きくしようと、
例えば午前9時のレートから2pips下に指値を置く
というふうにルールを改変してみても状況は良くなりません。
9時ちょうどのレートより2pips分だけ有利なレートで仕掛けようとしても、
平均損益が+5.7pips(指値の幅2pipsだけ増える)なんてことはまずあり得ないですので注意しましょう。
これは今回のシステムだけの話ではなく、全てについて言えることです。
上の損益曲線のサンプル数は958あります。
フィルタによって少しトレード数を削ることも考えられますが、
薄利を積みかさねるタイプのシステムなのでこれ以上トレード数を
減らしたくないという気持ちの方が強いですね。
さてそうなると、このシステムはスプレッド負けしてしまうシステムとして
あっさり諦めるか、このシステムの損益曲線を別の売買ルールのインディケータ
として使うことぐらいしか選択肢は残されていないようです。
【
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Comment
私もいろいろバックテストしましたが、シストレで20PIPS以下の利食いシステムで優位性のあるものを製作するのは難しいですね。
理由として考えられるのは、
1.スプレッド負けする。
2.指値決済にしても、それに見合う損切幅も小さくなり、勝率が著しく下がる。
3.仮に、優位性のあるシステムが製作できたとしても、スリッページの影響が大きく、バックテストと実運用で大きな誤差が生じる。
最低でも40PIPS以上の利食いを狙わないと、安定利益を出すのは難しいと考えています。
> takechanさん
おっしゃるように、小さな値幅内では相当優位性のあるものでないとスプレッド負けしてしまいますね。
記事で最後にさらりと書いたのですが、今回のような微小ながらもロバストな現象を別のシステム作りに利用できないかと思案中です。
あるシステムでは使えないロジックが、別のシステムで威力を発揮する、ということは、まれにですが、確かにありますね。
VL(Variable Length)-RSIというテクニカル指標は、通常のRSIの計算期間を、標準偏差の大小によって自動可変式にし、標準偏差が小さいときは、ダマシにかからなにいように計算期間を長くし、標準偏差が大きいときは、素早く反応できるように計算期間を短くするもので、以前バックテストしたことがあるのですが、クソの役にも立ちませんでした(笑)。
でも、同じVLロジックをRSIではなくモメンタムに応用したら、とても威力を発揮しました。VL-MOと勝手に名づけて、ポートフォリオの一つに組み入れて使っています。(^^)V
あ、ごめんなさい。大事なことを書くのを忘れました。
VL-MOは、逆張りでなく順張りで使用しています。
Phaiさんのブログは非常にわかりやすく感服しております。1つ質問よろしいでしょうか?
その需要が濃く出やすいと思われる状況下とはどのような条件でしょうか?
> 需要が濃く出やすいと思われる状況下とはどのような条件でしょうか?
たとえばドル円が上昇したとき、輸出が「じゃあドル売っておこうか」と考えるんじゃないかと。
2年以上前の記事ですので自分でもよく覚えていませんが(汗)、そういった趣旨だったと思います。
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