日米マネタリーベース比、ソロスチャート、ドル円レート
- 2012 04/15 (Sun)
ちょっと更新の間があいてしまいました。
最近はトレード仲間との近況報告会や初心者向けのセミナーなどを秘密裏に(笑)開催したりしています。
さて今日は最近よく目にする日本と米国のマネタリーベースとドル円の関係。
これを実際調べたことがある人はどれくらいいるのでしょう?
※マネタリーベースとは? ⇒ http://www.findai.com/yogow/w00338.htm
※マネタリーベース(日本)は http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html#
※マネタリーベース(米国)は http://www.federalreserve.gov/releases/h3/hist/h3hist1.txt

上図、棒グラフは(日本マネタリーベース/米国マネタリーベース)、折れ線はドル円月末終値。
マネタリーベース比は1999年1月を1としました。
お金の供給量と為替相場にはある程度の相関関係があることを示唆したいわゆるソロスチャートと言われるものです。
「日銀がもっと円を刷れば円安になるのに何やってんだ!」的な意見の根拠になっているチャートです。
リーマンショック以降の円高をうまく説明しますが、よく見ると2002年後半~2005年までの相関は悪く
円を刷れば円安になるという法則がいつの時代も正しいというわけではないことがわかります。
そしてこのチャートで稼げるのかどうかという
トレーダーにとって最も重要な問いに「Yes」と答えることはできません。
ちょっと調べてみればわかることですが、
このソロスチャートによって翌月のドル円レートを予測することができないからです。
だからなぜ伝説的なトレーダーであるジョージ・ソロスがこのチャートを提唱したのか、謎です。
彼は経済学者ではないはずですが。。。
2国間のお金と供給量差と為替レート。
ストーリーとしては非常にわかりやすい話だけに、それをうまくトレード戦略に利用できないのはすごく残念なことですが、これはあくまで私の今の研究段階での暫定的結論なのでもし何か良い方法があるよという人はぜひお知らせください。
もしかしたらソロスは、私がまだ見つけていない何かをずっと昔から見ているのかもしれません。
ちなみに2004年からのマネタリーベース比とドル円レートの相関は以下のような散布図で表されます。

マネタリーベースの代わりに今度はマネーストックとドル円の関係をプロットするとどうなるでしょう?
中央銀行が紙幣を刷りそれが市中に出まわるお金の総量(マネーストック)についてみてみます。


マネタリーベース比よりもだいぶ相関は良く、特に2004年以降の相関にはオッと思わせるものがありますが、これも翌月の予測性という話になるとイマイチのようです。
【FX システムトレード派はこちら】
最近はトレード仲間との近況報告会や初心者向けのセミナーなどを秘密裏に(笑)開催したりしています。
さて今日は最近よく目にする日本と米国のマネタリーベースとドル円の関係。
これを実際調べたことがある人はどれくらいいるのでしょう?
※マネタリーベースとは? ⇒ http://www.findai.com/yogow/w00338.htm
※マネタリーベース(日本)は http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html#
※マネタリーベース(米国)は http://www.federalreserve.gov/releases/h3/hist/h3hist1.txt

上図、棒グラフは(日本マネタリーベース/米国マネタリーベース)、折れ線はドル円月末終値。
マネタリーベース比は1999年1月を1としました。
お金の供給量と為替相場にはある程度の相関関係があることを示唆したいわゆるソロスチャートと言われるものです。
「日銀がもっと円を刷れば円安になるのに何やってんだ!」的な意見の根拠になっているチャートです。
リーマンショック以降の円高をうまく説明しますが、よく見ると2002年後半~2005年までの相関は悪く
円を刷れば円安になるという法則がいつの時代も正しいというわけではないことがわかります。
そしてこのチャートで稼げるのかどうかという
トレーダーにとって最も重要な問いに「Yes」と答えることはできません。
ちょっと調べてみればわかることですが、
このソロスチャートによって翌月のドル円レートを予測することができないからです。
だからなぜ伝説的なトレーダーであるジョージ・ソロスがこのチャートを提唱したのか、謎です。
彼は経済学者ではないはずですが。。。
2国間のお金と供給量差と為替レート。
ストーリーとしては非常にわかりやすい話だけに、それをうまくトレード戦略に利用できないのはすごく残念なことですが、これはあくまで私の今の研究段階での暫定的結論なのでもし何か良い方法があるよという人はぜひお知らせください。
もしかしたらソロスは、私がまだ見つけていない何かをずっと昔から見ているのかもしれません。
ちなみに2004年からのマネタリーベース比とドル円レートの相関は以下のような散布図で表されます。

マネタリーベースの代わりに今度はマネーストックとドル円の関係をプロットするとどうなるでしょう?
中央銀行が紙幣を刷りそれが市中に出まわるお金の総量(マネーストック)についてみてみます。


マネタリーベース比よりもだいぶ相関は良く、特に2004年以降の相関にはオッと思わせるものがありますが、これも翌月の予測性という話になるとイマイチのようです。
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Comment
はじめまして。たかとびと申します。
秘密裏に初心者用のセミナーとかうらやましいですw
土屋さんの出版予定の初心者用の本とか待ってるんですが、Phaiさんは初心者に一体どんなことを教えられたのか気になります。。
> たかとびさん
はじめまして、Phaiです。
初心者用セミナーはファクターモデル、ku-chartのエクセルでの検証方法です。
以前より面識のある方や、メールで連絡をくれた方限定でこじんまりと行いました。
次回予定は・・・未定です。
その度は有り難う御座いました
なんとかモノにしたいもんです
たかとびさんの本も興味深いです(笑)
ホント助かりました、感謝
> けーさん
こんにちは。
また何かわからない点がありましたらメールくださいませ。
おはようございます。返信ありがとうございました。。けーさんも土屋さんの本楽しみなのですねw
おいらもセミナー一度行ってみたいなー。。でも難しそうですねw
日経のサイトに修正ソロスチャートの話が出ていますね (『「神の見えざる手」が示す円高の行方』という記事です)。
修正ソロスチャートの計算式は「いくら緩和してもお金が市中へ出回らなければ超過準備金が積み上がるだけで何も起きない。チャートも全く変化しない」と言っているのに、チャートの考案者は『もっと十分な資金供給をすれば世の中の予想インフレ率が上昇させられ、名目経済成長率も高まるし円安にも誘導できる』と言っているところが変だと思います。今までとは異なる方法で緩和しなければならないはずであり、その策について語ってもらいたいものです。
まあ、それは置いといて (^^)。
上のマネーストック比率のグラフは計算に間違いはありませんか?
つい先程、先月までの日米マネーストック M2 (2003年3月までの日本のデータはマネーサプライ M2+CD を使用 (連続性は保持)。すべて季節調整済みデータ) で比率を計算してみましたが、1995年4月から直近までほぼ一直線に下げています。1999年1月を 1とすると、2012年3月で 0.6ぐらいです。
> kartzさん
Phaiです。
マネーストックはM1を使用しました。
M2ではおっしゃるようにほぼ一直線に下げていますね。
明言をさけたのは日米のM1,M2の定義の違いや対応、そしてその意味について整理不足だったからです。
しかしさすがですね。
すぐツッコミが入るとは思っていませんでした^^;
特につっこむつもりはなかったのですが、国際比較だと M2 or M3 が一般的かなと思ったもので。
M1 だとかなり短期の資金になりますし、日本の M1 が米国の M1 の3倍ぐらいになって、いくら円高とはいえマッチしそうにありません。米国は M3 の公表をやめてしまいましたので M2 しか残らず、日本の M3 は米国の M2 を越えてしまうので、最終的に M2 同士での比較となりました。
各国それぞれの統計仕様ですので、妥当な組み合わせはないような気もしますね (笑)。
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