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  2. 2011年06月

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『億を稼ぐトレーダーたち』を読んでみました

億を稼ぐトレーダーたち・画像
  『億を稼ぐトレーダーたち』

有名ブロガーさんが紹介されてたせいかAmazonで品薄状態が続いていますね。

先週届いたこの本をざっと読んでみたのですが、予想以上に良かったです。

それは、この本に書かれているいくつかのフレーズが
私にとってちょうどパズルの欠けていたピースかのようにピッタリと合致したからです。

たぶんそのピースは人によって全然変わってきます。
より具体的なものを求めている人には少し物足りないかもしれません。

しかし今の私には十分でした。
興味のない中源線などの記述はスキップしながらも
気付くか気付かないかの微妙なヒントが、
まるで蛍光ペンで線引きしてあるかのようにスッと入ってきます。


◆柳葉 輝氏

実践家が出してる本で、意外なものを見つけたことがあります。
(中略)本当はすごいのに、本人にはそのすごさが理解できていないということです。検証が甘いといったことが原因でしょうね。



これは私にも経験があります。
個人的にはテクニカル分析の本やシステムトレーダーの技術論などよりも、
アノマリー系についてのことが多いです。

あと、トレーダー同士の飲み会などでポロッと出る話題に中にもその意外なものを
見つけることが多いです。


自分のこだわりを実行段階のルールに入れない、
経験から生まれた美学みたいなものを入れないように努めています。



これはそう意識しないとなかなか難しいことで、
無意識に先入観やこだわりみたいなものが入ってきますね。

私の場合、売買ロジックの美しさ、シンプルさにこだわってしまう傾向があります。
そこから外れたものを「過剰最適化の危険があるから」と理由付けしてちゃんと検証しないというクセを直していきたいです。


225先物はTOPIX先物との裁定だけトレードしてます。直接のトレード、つまりアウトライト(片張り)はTOPIXだけにしてます。
TOPIXのほうが、システムトレード的には優位性を得やすいのです。225のほうが恣意的な価格形成になりやすくて、TOPIXは、操作不能とはいいませんが操作がしにくいという構造的なことが理由でしょう。



正直ホッとしました。
ああ~自分だけじゃないんだ、225の恣意的価格形成に悩んでいたのはと。
しかし私の反省点は、ただなんとなくメジャーな225先物に固執してしまってたことです。

TOPIX先物のほうが優位性が得やすいことはちょっと考えればわかることはずなのに、それに気付かず難しい道を攻略してやろうと苦心してました。
まあその努力は無駄ではなかったのですが、それにしても1つのことに気をとられすぎてました。

225先物についていろいろ勉強した数ヶ月。
この本を読んだ後は、すぐに225先物のトレーディングシステムをそのままTOPIX先物に適用するだけ。

ほんの数秒でした。
それが問題に頭を悩ませた時間と問題を解決するのに要した時間です。



◆成宮宏志氏

為替というのは、その時の手続きみたいなものです。
為替のトレードは、為替そのものが目的ではないことが多いのです。



為替は手続き、為替そのものが目的ではない、まさしく本質、FXのキモをさらりと言ってしまってますね。
FXでこのことに気付き、そしてそれをシステムトレードという形で実践している個人投資家がどれほどいるでしょう?

これ以上語ると余計なことまでしゃべってしまいそうなので、
やめておきます(笑)
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フォワードテストと再現性指数

◆前回の続き

システムのパラメータNに対する総利益や総利益/最大DDの分布が提示され、
さてでは最適なパラメータ値はどれか?というところまでお話ししました。

前回の記事は→最適パラメータを選択することは意外に難しい

前回使用したグラフの中で図2を再掲しておきます。
FXシステムトレード研究
  (横軸はパラメータN、縦軸は総利益)


※画像が表示されない場合は何度かリロードしてみてください。


前回申し上げていませんでしたが、
この分布図は1999年1月~2009年6月までのバックテストを行って出てきたものです。
この時点ではN=4、6、12、13といったあたりが最適候補でした。



◆フォワードテストでは最適候補が苦戦

フォワードテストとして、2009年7月~直近までのデータを使い、
パラメータN=1~90に対する総利益の分布を見てみましょう。
FXシステムトレード研究
  (横軸はパラメータN、縦軸は総利益)


最大値はN=32のときの4157pipsで、次点はN=1のときの3912pipsです。
N=4、6、12、13といった最適候補はフォワードテストにおいて上位10%にも入ってきません



2009年以前と以降のNの値に対する総利益を個別に書き出すと、

N=4  12219pips(以前)→ 1549pips(以降)
N=6 9335pips(以前)→ 2556pips(以降) フォワードテスト10位
N=12 9466pips(以前)→ 1229pips(以降)
N=13 10026pips(以前)→ 1633pips(以降)

となっています。

バックテスト期間は126ヶ月、フォワードテスト期間は24ヶ月ですので
月平均の利益に直すと、

N=4  97.0pips(以前)→ 64.5pips(以降)
N=6 74.1pips(以前)→ 106.5pips(以降)
N=12 75.1pips(以前)→ 51.2pips(以降)
N=13 79.6pips(以前)→ 68.0pips(以降)

となります。

バックテスト時には最適パラメータの最有力であったN=4は、
フォワードテスト期間の平均月間利益がバックテスト時に比べ劣化している
ことがわかります。

一方、N=6は唯一平均月間利益が良化しているパラメータです。

バックテストで最有力だったN=4の平均利益は減少し、
代わりにフォワードテストで最上位に進出してきたパラメータN=32は
バックテスト時の総利益は上から32番目の平凡な成績でした。
さらに次点のN=1は68番目と悪い方の属しています。


◆全パラメータのパフォーマンス推移を追いかける

これまで述べたようにフォワードテストの結果は
一見バラバラな傾向で、その目的を達成できていないように見えます。


しかし、それぞれのパラメータでのバックテスト、フォワードテストでの総利益をプロットすると以下のような図になります。

FXシステムトレード研究
  (横軸はバックテストの総利益、縦軸はフォワードテストの総利益)


個別のパラメータだけ追っても傾向がつかませんでしたが、
こうして全体をまとめて見てみると、バックテストの総利益とフォワードテストの総利益には一定レベルの相関があることがわかります。


従来、再現性というと、1つのパラメータ値による良いバックテスト結果が将来も再現されるかどうかを問題にしています。
これに対し、全パラメータ値の再現性(良いパラメータは良い結果に、悪いパラメータは悪い結果にという)を調べてみたのが新たな試みと言えます。

パラメータを選択してそれが将来良い成績を収めるかどうかを気にするのであれば、
同時に、選択しなかったものも将来きちんと悪い成績であるかどうかも気にするべきだと考えたのです。

そうなると1つのパラメータ値のみを追いかけるのではなく、
全パラメータ値を追いかけてみる必要があるのです。

私は上図に出てきたR2乗値を再現性指数と呼ぶことにしました。
再現性指数は0~1の間の値で、1に近いほど再現性の高いシステムであることを意味します。
言い換えると、1に近いほど将来の利益がそれまでのバックテストの利益の大小で予測可能だということです。


※1
R2乗は0.21で、この数値は再現性が高いのか低いのかという議論は残されています。
比較実験として「終値とN日間の移動平均のクロス売買」で同様の解析を行ったところR2乗は0.04と著しく小さい値となりました。

※2
全くの直観ですが、R2乗が0.50以上のものは相当すごいと思います。
今回の0.21も悪くない数字だと思いますが、今後さらに他の事例を増やして調査してみます。

※3
バックテストの全体の成績が芳しくないものは、再現性が高くてもダメです。
「安定して良くない」成績を出し続けるシステムだからです。

※4
総利益ではなく、(総利益/最大DD)でも同様に再現性指数を調べてみました。
R2乗は0.13となり総利益よりも小さな結果でした。


以上のことから、最適化の目的指標を総利益と定めてみます。


◆最適パラメータの選択

一般に、フォワードテストを行った後で我々に用意されている道筋は
以下のようなものがあります。


1)バックテスト時に最適候補パラメータを1つに絞り、
それがフォワードテストでも傾向どおりのパフォーマンスを維持しているかどうかをチェックする。もしダメなら、その戦略自体を諦める。

2)バックテスト時に最適候補パラメータをいくつか用意し、
その中でフォワードテストをパスするものを選択する。
テストをパスしたものが複数ある場合は、
2-1)フォワードテストの成績最上位のパラメータを選択。
2-2)バックテストの成績上位のパラメータを選択。
2-3)「バックテスト+フォワードテスト」合計の成績上位のパラメータを選択。


今回は再現性指数という概念を盾として2-3)の道を選択してみます。
基本的に2)のように将来パラメータの変更を考慮に入れている場合は、
個別ではなくパラメータ全体のパフォーマンスを調べる必要があると考えています。


さて、「バックテスト+フォワードテスト」合計で考えたとき、
総利益の大きいN=4、6、13が最適候補として挙げられます。

1つだけとなると利益が最大となるN=4が最適パラメータです。
フォワードテストでは期待ほど良い成績ではありませんでしたが、
依然総利益については最上位のパラメータですのでその再現性にかけるというのが良いと判断しました。

あるいはN=4、6、13の3つに分散して運用してもおもしろいかもしれません。
(本当にリスク分散になっているか相関をチェックする必要はありますが)

この辺の運用スタイルにはある程度自由度をもたせても問題ないでしょう。


以上長くなってしまいましたが、

1.バックテストを行う
2.パラメータによってパフォーマンスのばらつきがないことを確認
3.最適候補をいくつか選ぶ
4.フォワードテストを行う
5.バックテスト-フォワードテスト間で全パラメータの再現性を確認
6.どの指標を最適化するかを決める
7.最適パラメータを決める

という一連の手順を紹介しました。

今回の手順は、まだまだ試行段階ですのでいろいろツッコミどころもあるかと思います。ご了承ください。


◆追伸(7月11日)

ahahaさんとY102さんが別ブログで議論してますので
そちらも参考にしてみてください。

http://blog.livedoor.jp/y_102/archives/3368672.html

私自身も勉強になりました。


 【FX システムトレード派はこちら


最適パラメータを選択することは意外に難しい

バックテスト時のパフォーマンスが
システムのパラメータに対しどれくらいロバスト(堅牢)であるかを知ることは大切だと思います。

しかし例えばPF(プロフィットファクター)や累積利益が
パラメータの関数として書けるかどうか?
といったことについては現実的に微妙だと思いますし、
さらに言えば、えいやと決めた関数で本当に未来に最良パフォーマンス
が得られるパラメータを推定できるかどうかという点についても懐疑的です。


今回例として自作のシステムを用意しました。
このシステムはパラメータは観察日数を決めるNの1つだけ。
いたってシンプルな売買ルールです。

Nは1~90まで90通りのバックテストを行い、パフォーマンスのロバスト性を確認しました。

図1はNに対するPFをグラフにしたものです。
FXシステムトレード研究
     (横軸はパラメータN、縦軸はPF)

PFの最小値はN=1のときの1.11で、最大値はN=46のときの2.26でした。
PF90通りの平均値と標準偏差は1.65±0.21です。

90通り全てにおいてPFは1を超え、また1.5以上のものは69通り存在しました。

パラメータの数値がこれほどまでにパフォーマンスに影響を及ぼさないのは
すばらしく良い傾向だと思います。

優位性はほとんどシステムの原型、つまりアイデアの部分に存在しており、
パラメータの数値には依存しないということがわかります。


これなら適当に良さげな数値を選択して運用しても負けはしないでしょう。
しかし、いざ「最適な」値を選択しようとなると問題は別です。

上のグラフを見ると小さな山がいくつも存在するような形で、
どれが最適なパラメータなのかすぐに決められそうにありません。


図2はNに対する累積利益をグラフにしたものです。
FXシステムトレード研究
   (横軸はパラメータN、縦軸は累積利益)

こちらも小さな山がいくつもありますが
グラフの左サイドの山の方が頂点が高いことがわかります。
最大値はN=4のときの12219pipsで、次点はN=13で10026pipsでした。


図3はNに対する(累積利益÷最大DD)をグラフにしたものです。
FXシステムトレード研究
   (横軸はパラメータN、縦軸は累積利益/最大DD)

(累積利益÷最大DD)が大きいと損益曲線もだいたいきれいな形となる場合が多く、
個人的には気に入っているパフォーマンス指標の1つです。

最大値はN=4のとき10.3、次点はN=6で9.3でした。


最後にNに対するトレード数の変化を見てみましょう。

Nは日数で、短期の動きを見るとなると当然トレード数は多くなり、
長期の動きを見るとトレード数は少なくなります。

Nに対するトレード数をグラフにすると図4のように
非常に規則的な関係性がわかります。
FXシステムトレード研究
   (横軸はパラメータN、縦軸はトレード数)

つまりこのパラメータはトレード数に影響を及ぼすものということがわかります。


以上、限られた情報ではありますが、
一応最適パラメータを選ぶための材料が提出されました。


さて、パラメータNは一体どれを選んだらいいのでしょう?
どれが将来的に最も良いパフォーマンスをもたらしてくれるでしょう?

図2、3よりパフォーマンスの安定性と収益性のバランスを重視するなら
N=4が最有力、あとはN=6、12、13あたりが良さそうです。



次回へつづく・・・

優れたトレード戦略とは?

-見るべきはチャートではない、人間の行動だ。



マーケットの魔術師に出てくる人の言葉です、と言っても信用されそうですが、
実は私が単にかっこつけて呟いただけです(笑)


※以下は自分用のメモとして

味方につけるべき人、咎めるべき人の投資行動を、
いかに定量化するかということが優れたトレード戦略のキモだ。

あなたのポジションを強烈にサポートしてくれる大口の投資家がいるのか?
あなたがエントリーした後、あなたと同じ方向に乗っかってくる人を想像できるかどうか?

あるいは、あなたと逆方向にエントリーしてしまい、ウンウンうなって苦しんでいる人の姿を想像できるかどうか?
それはどんな人だろう?あなたに利益をもたらしてくれる人はどんなことを考えて、そうした行動に出ているのか?

負けてくれる人は損から逃れようと学習するのか?
それとも損得とは別の行動規範で常に一定の動きをしているのか?

そういったことが売買ルールのエッセンスとして入っているかどうかということは非常に重要だ。


例えば5日、20日の移動平均クロス売買システムに
そうしたエッセンスが存在するのか?

短期のモメンタムが中期のモメンタムを上回ったときに買うという戦略は、
どちらかと言えば「みんなが買うから・・・」というふうに、
誰かを味方につけるという試みだ。

しかし実際だれを味方につけるのかという点はいまひとつ明確ではない。

逆に、こうしたコンセンサスを利用して、
短期モメンタムが中期モメンタムを上回ってみんなが飛び乗ってきたちょうどそのタイミングで、価格が急落するような出来事があったらどうなるだろう?ということを考えてみる。

この場合の方が、損する人をよりリアルに想像しやすい気がする。


また他の例として、
日本株で海外投資家の動向を味方につける戦略を構築したとする。
その際注意すべきはその大口プレイヤーは常に同じ相手なのかどうかということだ。

下の図は地域別の海外投資家の割合を毎月プロットしたものだが、
これを見ると2008年10月のリーマンショック以降、プレイヤーの地域別割合が明らかに変化していることがわかる。

FXシステムトレード研究

もしかしたらこれが原因で取り得る最適な戦略は変わってくるかもしれない。
つまり、2008年10月以降システムのパラメータやインディケータそのものの変更が必要になってくる可能性があるということだ。


・・・と最近はこんなことを考えながら過ごしています。


  【FX システムトレード派はこちら

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プロフィール

Author:Phai
4年前に専業トレーダーに転身。
トレンドフォロー系のシステムをメインに複数のシステムで資産運用を行っています。
メンバー100名以上→【FC2限定システムトレードコミュニティを立ち上げました

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